28.オールドレンズで記憶に残る写真を撮りたい(フィルム編)
フィルムカメラ=スローカメラとは限らない?
CONTAX AXでM42オールドレンズをAF
PENTAX Z-1PでAFレンズをデジカメと共用
前回、デジカメ+オールドレンズで撮った写真を見ていて考えたことを書きました。
加えて、ストレートにフィルムカメラでレンズ個性×フィルム個性な写真を撮ってみたいという欲も出てきました。
それはきっとデジタルで撮る際のインスピレーションにもつながるはず。
○フィルム再デビュー機は 機械式カメラ Pentax SP
ASAHI PENTAX SP + ETSUMI hot shoe adapter (with PC Cable) + GODOX X1T Wireless Trigger + GODOX TT600 Manual Strobe. |
使い始めの頃の話を「24.フィルムカメラPENTAX SPでもオフカメラストロボ撮影」に書いています。
楽しく撮影をしていたのですが、現像された写真を見ると適正露出だと思って撮った写真のいくつもが暗い。かと思えば時々適正だったり。終いには膜が半分写り込んでいたり(右半分)...溶けたゴムの様なものが写り込んでいたり...。
おかしいと思い、フィルム無しの状態で何度かシャッターを押してみると、最終的にはシャッター幕が壊れてしまいました(閉じなくなった)。
どうやら使い始めの頃から、シャッター幕の開閉は非常に不安定だったようです。
○マニュアルレンズをAFできる夢の様な?CONTAX AX
CONTAX AX + GODOX X1T-F Wireless Trigger + GODOX TT600 Manual Strobe. Lens: Carl Zeiss Jena Pancolar 80mm F1.8 (with M42 to CY adapter). |
当初は「フィルムカメラは光をフィルムに当てるだけだから、どのカメラを選んでも同じでしょ?」と思っていたのですが、買い替えを検討するに当たって色々と欲がでてきました。
たどり着いたCONTAX AXは...
・最速シャッター速度が1/6000秒(PENTAX SPは1/1000秒だったので明るいレンズは日中開放絞りで使えなかった)。
・ファインダーが非常に見やすい。
・カメラ内部でフィルム面を前後に動かすことによってピントを自動で合わせるバックフォーカス式AFを採用している(マニュアルレンズでもAFできる)。流石に現代デジカメの高速AFをイメージされると遅いということになりますが、比較的コントラストのはっきりした被写体だと迷うこと無くAFが決まります。ある程度マニュアルでピントを合わせてからAFするとより高速。
・マウント形状はコンタックスヤシカ(C/Y)だが、M42->CYマウントアダプターが存在する(無限遠も出せる)。
・AF機能をシャッター半押しから親指AF式に変えることができる。
・AF-Cでピントを合わせることもできる。
・ホットシューが付いており、PCシンクロケーブルを使わなくてもX接点付ストロボが使える(自分はGODOX X1T-F + GODOX TT600でオフカメラストロボしています)。
重くて大きいボディですが、手持ちのM42レンズ全てをAFで使える夢のようなカメラです。デジカメの様にAF/MF切り替えなどしなくても、レンズ側ピントリングを回して即座のマニュアル調整もできます。
オールドレンズ×フィルムカメラ=スローカメラ というイメージが付きまといますが、このカメラであれば現代的な撮影もできます。
オフカメラストロボ×オールドレンズ×フィルムで撮る、デジタル写真にはない表現力で残す子供の成長スナップ写真...そんなことをして楽しんでいます。
CONTAX AX + M42/CY Adapter + CZJ Pancolar 80mm F1.8 + Fujicolor100
(@F1.8 Avモード露出補正-2でSS 1/125秒確保 ストロボパワー1/16で オフカメラ天井バウンス)
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※CONTAX機と言えば、ミラーずれとシャッター鳴きのリスクがよく話題になるようです。
・ミラーずれ…カメラ内のミラーが両面テープ「のみ」で機体に張り付いているため、次第に下方へずれていく。最終的にはミラーが跳ね上がった状態で機体に引っかかり戻らなくなる。
⇒ 自分も一度経験しましたが、ミラーの後ろ側からドライヤーをじわりじわりと当てて温めて直しました。温めると簡単にミラーが動かせます。適正な位置までズルっと戻してやり、そのまま冷めるのを待ちます。ミラーを剥がして貼り直すこともできそうですが、リスクは取らず、持病だと思って長く付き合うことにしています。
・シャッター鳴き…シャッター押下時のミラーアップの際、プシュっとかピションっとか変な音が鳴るようです。自分の場合は軽微でしたが、Youtubeを参考にミラー横の歯車へ注油をして改善しました。
○AF時代のフィルムカメラ用レンズも立派なオールドレンズだ(?)
PENTAX Z-1P + GODOX X1T Wireless Trigger + GODOX TT600 Manual Strobe. |
手持ちのPentax KPデジカメはKマウント。Kマウントはフィルム機時代から採用されている息の長いマウントです。そして、現行で生産・販売されているFA Limitedレンズ(31mm,43mm,77mm)もフィルム機時代にデビューしているレンズです(もちろんフルサイズイメージ対応)。
自分は77mmを所持しているのですが、持っていると「フィルム機でも使ってみたい欲」が...。逆に、ディスコンとなり比較的安価に入手できるフィルム機時代のAFレンズを入手してデジカメPENTAXと共有するという楽しみ方もできます。
Pentaxの中古AFフィルムカメラというと、一番人気は小型でフィルム終盤期にリリースされたMZシリーズの様です。
自分は紆余曲折の末、もっと古い世代のフラッグシップ機 Pentax Z-1Pを入手しました(完動品で3,500円ほどでした)。
Pentax Z-1Pの良いところは...
・最速シャッター速度が1/8000秒と文句なしに速い。
・SERVOモードという動体予測(AF-C)AFモードがある。
・ボディ側に絞りを制御するダイヤルが付いている(MZシリーズには無いと思います)。絞りリングの無いデジタル時代のKマウントレンズを装着してもカメラから絞りの変更ができます(ただしボディ内AFモーターに非対応のレンズではAFは効きません)。
・マニュアルKマウントレンズや、ボディ内AFモーター非対応のKマウントAFレンズの場合、フォーカスエイド(ピントが合ったら教えてくれる)ができる。
・懐かしの日付プリントができる(19年までしか設定できないが)。
・もちろんホットシューでX接点付ストロボが使える(上記と同じく自分はGODOX X1T-F + GODOX TT600)。
3番目4番目はちょっと何を言っているのかわからないかもしれませんが...
例を挙げると、SIGMA 85mm F1.4 EX DG HSM(Kマウント)という既にディスコンとなったデジタル専用大口径レンズがあります。レンズ内AFモーター仕様、且つレンズに絞りリングはありません。
これをZ-1Pに付けると、「絞り操作はカメラ側から可」。AFはできませんが、レンズのピントリング操作での「合焦時に電子音&ファインダー内でサインで教えてくれる」ということができます。デジタル専用レンズ×フィルムという組み合わせはちょっと斬新です。
Pentax Z-1P + SIGMA 85mm EX DG HSM F1.4 (for Pentax)
+ Kodak ProImage100
(@F1.4 Focus Aid MF Avモード露出-2でSS 1/125秒を確保 ストロボパワー1/8で オフカメラ天井バウンス) デジタル専用レンズ+フィルムカメラ 一度これをやってみたかった。
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PENTAX現行のレンズラインナップはバリエーションに乏しいイメージがあります(他機種で定番の焦点距離・明るさのレンズが無い)。しかし、AFオールドレンズにまで視野を広げれば選択肢はずっと広がります。
自分はSMC Pentax-F 50mm F1.7、SMC Pentax-FA 135mm F2.8 [IF]を比較的安く入手しました。135mmなどはポートレートでよく使われる焦点距離ですが、フルサイズイメージ対応の現行レンズがありません。K-1やK-1 Mark IIをお使いの方にもおすすめのレンズではないでしょうか。
※海外のサイトですが、Pentax Forumsというサイトに過去販売されていたレンズも含めた一覧が得票点数とともに確認することができます。フルサイズ対応でAFできるのは、F Lenses(Prime/Zoom)、FA Lenses(Prime/Zoom)、D FA Lenses(Prime/Zoom)です。SIGMA等サードパーティ製のPENTAX対応レンズも掲載されています。
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