37.大量の写真データを圧縮なしで保管&管理するためにSmugMugを使っています①

SmugMug(PCブラウザ版)の管理用画面
SmugMug(PCブラウザ版)の管理用画面
「Selection」>「レンズ別(マウント別)」>「CONTAX YASHICA」と辿ると手持ちの各Y/Cレンズのお気に入り写真だけが見られるようにしています。

※SmugMugではPCブラウザ版は写真の整理・管理用/スマホアプリ版は閲覧用という位置づけです。

撮りためた写真を『管理』するために、SmugMugでひと手間掛けて保存・管理するためのワークフロー ~その① SmugMugの特徴編~

簡単・便利なGoogleフォトの有料化(2021.6)から1年超...。有料化当時は「フォトストレージ、乗り換え先はどうする?!」といったブログ記事がたくさんあったと思います。

その後皆さんどの様にされたのか非常に気になるところですが、自分の場合は一度Amazon Photosへ移行した後、SmugMug(スマッグマグ/スマグマグ)へ更に移行して落ち着いています。

現在58,000枚ほど(1ファイル無圧縮25MBとして1.45TB超)を保存していますが、Exif検索できないオールドレンズなどについても、
過去のお気に入りをいつでもすぐにブラウズしたい
特定レンズのお気に入り写真だけをブラウズしたい
プリントした(する)写真だけすぐに探せるようにしたい」etc...
といった欲を満たすため、ひと手間掛けて管理しています。

今回はその『管理』のためのワークフローについて書きます。
が、そもそもSmugMugって何?な方も多い&日本語で紹介しているブログ等もほぼ無い状態だと思いますので、1/2回目としてSmugMugの特徴を簡単に紹介したいと思います。


SmugMugの簡単な特徴は以下の様なものです。

1.契約プランは一番下のものでOK。

SmugMugは単なるフォトストレージというよりは、写真家が自分のギャラリーサイトをWeb上に持って、そのサイト上で写真を売ることを支援するためのサービスの様です。

上位プランは写真を売ってゆくための機能やギャラリーに人を呼び込むための機能が強化されてゆく感じなので、「自分用」での利用ならば一番下の「Basic」プランで十分です(月額$9:ドルでの支払いなので要クレジットカード or PayPalアカウント)。

以下、一番下の「Basic」プランの特徴です。

※====追記(22.10.4)====※
SmugMugのプラン一覧ページを確認すると、一番下がPowerプラン($13)になっておりBasicプラン($9)が見つかりません...。実質値上げなのでしょうか。私自身は過去に契約したBasicプランで使い続けることができています。
※====追記ここまで====※

2.JPG、PNG、GIF画像ファイルと動画ファイルが総容量無制限で保存可。

ただし、1ファイルごとのサイズについては制限ありです。
・画像ファイル:50MB以下かつ1億画素サイズまで。※SONYのα7RⅣで6100万画素。1億画素は中判デジカメレベルなので、多くの方には実質無圧縮無制限といって良いでしょう。
・動画ファイル:3GBかつ20分まで。※時間の長い動画をアップロードすると縦横サイズが小さく変換されてしまいます。動画メインのストレージとしては難ありです。

3.PCブラウザ版は「管理&閲覧用」、iOS & Androidアプリ版は「閲覧用」

これは私の感想です。アプリ版でも写真をアップロードしたりはできますが、今回の記事テーマの『管理』をやろうとするとPCが必要です(MacでもWindowsでもOK)。

iOS版SmugMugアプリの画面表示
iOS版SmugMugアプリの画面表示です。
「写真保存先の表示を階層状に行える」ことが特徴です。
※GoogleフォトやAmazonPhotosの「アルバム」には階層構造は無く、古い写真・アルバムは基本的に下へ下へと流されてゆきます。
上の例では、PCで設定していた「Selection」>「レンズ別(マウント別)」>「CONTAX YASHICA」の一覧までブラウズしているところです。PCで設定した階層を辿りながら素早く目当てのお気に入り写真にアクセスできます。

4.写真や動画は、PCで言うところの「フォルダ」で管理するイメージ。

上のiOS版アプリ画面や、トップ画像のPCブラウザ版管理画面を見ていただくとイメージし易いと思いますが、写真の保存・表示に関して、いくつもの「階層」を作ることができるのが特徴です。また、フォルダをドラッグして別のフォルダへ移動したりが非常に楽です。フォルダや写真の表示順並べ替えも自由です。

写真を「アルバム」に入れて、古いものがどんどん下へ流れてしまうGoogleフォトやAmazon Photosとの大きな違いであり、自分が一番重宝しているところです。

SmugMugでの写真保存・管理に関して、名称に若干クセがあるのでご注意ください。
Googleフォトでの「アルバム」=SmugMugでは「Gallery」と呼びます
・SmugMug独自の「階層化」のために「Folder」があります。Folder内に直接写真データを置くことはできませんが、いくつもの「Gallery」を置くことができます。Folderの中に更に複数のFolderを作ることもできます。

少々とっつきにくいですが、これを活用した写真の『管理』が本記事でのメインテーマです。詳細はその2で。

5.写真・動画のアップロードは「高速」。PC上の大量のデータを一括アップロードするツールもある。

もちろん回線速度などの影響は受ける訳ですが、アップロード・ダウンロードとも高速です。以前GoogleフォトからAmazon Photosへ移行した際は、Amazon Photosのあまりの遅さにどれだけイライラさせられたことか...。

PC上の写真データとの同期を目的としたソフトなのだと思いますが、大量アップロード用のソフトも提供されています。移行時にはこれが非常に便利です。
上の「フォルダ管理」とも関わる話なのですが、PCで階層状にフォルダを作って写真を保存していた場合(例えば「写真フォルダ」の中に「2021年」「2022年」といったフォルダがあり、更にその中に「4月」「5月」といったフォルダがあるなど)、根っこのフォルダをアップロードすれば、SmugMugでも同じ様にFolder階層やGelleryが作られ、各フォルダの中のデータも全てアップロードされます。つまり、うまく使えばサービス移行時にはアップロード操作は1回のみで、後は一晩ほど放っておけばOKです。
一つひとつアルバムを作ってデータをアップロードして...ということを繰り返す必要がありません。

6.SmugMugサービスの日本法人がありません。英語表記&ドル払いです。

ブラウザ管理画面やスマホアプリのメニュー表記、サービス利用申し込みなど、全て英語の表記です。一方で、自分が作る管理用Folder名、写真に付けるタグ・タイトル・コメントなどは日本語入力に対応しています(文字化けしません)。

支払いは米ドルのクレジットカード・PayPalです。デメリットは為替変動の影響で毎月の円での支払額が変わってしまうこと。以前は$9プランで月1,000円ちょっとだったのですが、今は円安の影響で1,300円ぐらいにまで高くなってしまいました...。

7.FolderやGalleryへの「アクセス権限」を意識する必要あり。

このサービスの主テーマは「ギャラリーサイトを仕立てて」「写真を売る」ことです。
なので、根本には「多くの見知らぬ人々に写真を見せる」思想があります。

逆に「自分用フォトストレージ」として使うためには「知らない人には見せない」設定に変える必要があります。根っこの設定で「Private(自分のみ閲覧可)」としておけばとりあえず安心です。難しい設定では無いのですが、「そもそもアクセス権限って何?」と思ってしまう様な人にはこのサービスをあまりおすすめいたしません。

8.Googleフォトでやるような「友人とアルバム共有」が面倒くさい。

まずひとつ目ですが、Googleフォトの様に「友人をリストから選んで共有」といった操作ができません。共有したいフォルダのURLを友人にメールやLineで送る必要があります。

もう一つがやはり「アクセス権限」の問題。「Private(自分のみ閲覧可)」にしていると、友人がURLへアクセスしても何も見えないため、「URLを知っている人だけが見れる」設定に、更に「特定のパスワードを入力すると見られる」といった設定に変える必要があります。

問題はこれだけではありません。
Googleフォトでよくやる「この写真はAのアルバムにもあるしBのアルバムにもある」という様な状況。これはもちろんできるのですが、SmugMugでは「保存場所A(Gellery)には写真ファイルの本体があり、B保存場所(Gellery)にはショートカット(Macでいうエイリアス)がある」といった状況になります(Googleフォトの場合ハードリンクと呼ぶべきか)。
友人へ共有したい写真をBに集め、アクセス権限を上記の様に変更したとしても、本体のあるAが「Private」だとそちらが優先されるため、BのURLへアクセスしても写真は見られません。Aのアクセス権限も然るべき設定にしておく必要があります。
また、当該Folderのアクセス権限よりも上位Folderのアクセス権限が優先されるということにも留意する必要があります。

...なんのこっちゃ?かもしれません。面倒そうだな...かもしれませんね。
PC(ネットワーク)の設定にある程度対応できるぐらいのスキルが求められると思います。

自分は一通りの権限設定は行ったものの、結局SmugMugで友人へ共有することは止めました。共有したいものだけGoogleフォトへアップロードしてアルバム共有しています。

9.Exif検索はできない。検索で絞り込むためのワードは予め書き込んでおく必要あり。

これはGoogleフォトなども変わらないのでデメリットではないですが、後々検索で引っ掛けたい様なワードは予め各写真の「タイトル」「キャプション」「キーワード(タグ)」のどこかに入れておく必要があります。

SmugMugの検索は、あくまで「ギャラリーを見に来た人向け」なのです。目的の写真へ辿り着けるようなワードを設定し、ギャラリー内をスムーズに巡回できるよう設計する必要があります。

とは言え、ワードの設定が重要なので、ワードの編集機能などは便利です。Googleフォトで写真に「説明を追加」するには1枚1枚処理する必要がありますが、SmugMugでは選択した複数ファイルを一括で編集することができます。

10.スマホ用アプリのデータ通信量に注意。

撮りためた写真の管理が上手くできるようになってくると、必然的に過去の写真を見る機会が増えます。スマホアプリでこれらを見る際は、データ通信量に注意が必要です。

SmugMugスマホアプリでの写真データ読み込み挙動は以下の様な感じです。

・Galleryを表示⇒登録されている複数の写真がアイコンサイズの一覧で表示される。
・写真アイコンをタップ⇒写真はスマホサイズで表示される(最初からフルサイズデータが読み込まれる訳では無い)。スワイプすると前後の写真へ。
・写真をピンチアウトして拡大⇒フルサイズの写真データが読み込まれ、等倍まで拡大できる。

それぞれの操作で、表示に必要なデータ量だけがクラウドからダウンロードされる仕様にはなっていると思います。また、一度ダウンロードされたデータはキャッシュに読み込まれ、しばらくはデータ通信なしで表示できる仕様にもなっていると思います。

しかし...

圧縮なしのフルサイズのデータは(ものにもよりますが)1つ25MBなどの大きなデータであることを忘れてはいけません。何となく写真を開いて拡大して次へ...を繰り返していると、40回の操作で通信量が1GB。容量制限のある通信プランだとあっという間に上限に達してしまう可能性があります。

そうならないために...

アプリ上のGellery設定で「Access Theese Photos Offline」を活用。こうすることで、指定したGelleryの写真を予めスマホにダウンロード(フルサイズで)しておくことができます。
この設定をすると、各写真の下にダウンロード状況のステータスバーが現れ、完了するとチェックマークに変わります。これをWi-fi環境の整った場所で予め行っておくことで、大幅に通信量を減らすことができます。

もちろんこれを全てのGelleryで行うと今度はスマホの容量が足らなくなるので現実的ではありませんが...。

そういった意味でも、やはりいつでも見たい「お気に入り」Galleryを作り大量の写真データを『管理』してゆくことは大事なのだと思います。

【番外】SmugMugアプリのキャッシュが壊れた!?時には...

せっかくのオフライン機能なのですが、なぜか挙動がおかしくなることが何度かありました。自分の場合「Access Theese Photos Offline」設定を済ませ、各写真のダウンロードも済んだ状態のGelleryを開き直すとまたダウンロードが始まる(何度やっても)...という恐ろしく酷い状態になったことがあります。アプリを一度削除・インストールし直しても改善しなかったのですが、「App Settings」の中にある「Clear Cache」を試して改善しました。


以上、長くなりましたが、撮りためた写真を『管理』するために、SmugMugでひと手間掛けて保存するためのワークフロー ~その① SmugMugの特徴編~ でした。


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