16.sd Quattroでオフカメラストロボ撮影をしたいっ(追記あり)
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SIGMA dp Quattro + GODOX X1 wireless trigger + GODOX TT600 flash
& JJC JM-2R adio Wireless Shutter
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sd Quattroでオフカメラストロボ撮影をしたいっ(後編)
sd Quattroでオフカメラストロボ撮影ができるようになるまでの苦労話。前編ではストロボ撮影のキホンのキを知らなかったために混乱した話を書きました。
後編は、やっとsd Quattroでオフカメラストロボ撮影ができるようになる話です。
手短に結論から書きますと...
①有線であれば、10m離れたシグマ純正ストロボを、カメラ直付同様に使うことができました(SA-STTLもHSS:ハイスピードシンクロも可)。
②無線環境でのSA-STTL、HSS:ハイスピードシンクロについては、シグマ純正上位機種(EF-610 DG SUPERまたはEF-630)を2個使う以外に方法は無さそうです。
③ただし「ストロボ発光量と照射角(ズーム量)の遠隔操作」に限定すれば、純正以外の安価なストロボでも対応できるものがありました。
①有線であれば、10m離れたシグマ純正ストロボを、カメラ直付同様に使うことができました(SA-STTLもHSSも可)。
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sd Quattro + Vello Off-Camera TTL Flash Cord(10m) + EF-630 & EF-610 DG ST for SIGMA : SA-STTLはカメラ直付け同様に動作します(630はHSSも可) |
「SIGMA sd Quattro + CANONオフシューカメラコードOC-E3でオフカメラTTL撮影」にて、カメラから離したストロボを有線でTTL発光、HSS発光させることができたと書きました。
CANONオフシューカメラコードOC-E3を使ったこの仕組み、屋外でスナップ的に逆光の人物撮影をするようなシーンで便利です。
一般的には「逆光だと顔が真っ黒に...」なのですが、ストロボを使えば話は変わってきます。右手にカメラ、左手にストロボ。少々力が要りますが、そんな使い方ができます。
ただ、このケーブル...短い。
左手でストロボを持つ分には申し分ないですが、ライトスタンドにストロボを立て、手の届かない範囲にまで離れることはできません。
そこで探したのが、同じくCANONのE-TTL対応で長いストレートのケーブル(カールしていない)。
「よしみカメラのオフカメラシューコード TTLストレートケーブル MU-55が使えそう」という記事を見つけたのですが、現在新品は手に入らない様子。
見つけたのが、Vello Off-Camera TTL Flash Cord for Canon Cameras (33')
33フィート≒10メートルです。
日本のアマゾンでも並行輸入品が売られていましたが、高いのでeBayを使って個人輸入しました。アメリカのアマゾンでも手に入れることができます。
結果は良好です。シグマ純正ストロボであれば、ストロボから10m離れた位置からでもカメラ直付けと同様にTTL、HSS撮影できました。
②無線環境でのSA-STTL、HSS:ハイスピードシンクロについては、シグマ純正上位機種(EF-610 DG SUPERまたはEF-630)を2個使う以外に方法は無さそうです。
「CANONのストロボ接点とSIGMAのストロボ接点は互換性があるっ」と気分を良くし、CANON E-TTL対応のラジオスレーブを買えばSIGMA純正ストロボで無線TTLや無線HSSもできるかもっ!?と勘違いして失敗したのが次の話です。
購入したのは中華製GODOX(神牛:ゴッド+オックス)のX1C(キヤノンE-TTL対応)です。日本の代理店から技適対応版が売られています。
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sd Quattro + GODOX X1 wireless trigger + GODOX wireless receiver + EF-630 for SIGMA : この組み合わせではただ発光させるしかできません |
SIGMA sd Quattro + GODOX X1C(トリガー、レシーバー)+SIGMAストロボの組み合わせは...
1.無線トリガーは、スペーサーをかましてカメラとの接続位置をずらせば使える。
同様のことを試されて「ホットシューから発光信号を拾えない!」「トリガーとカメラをシンクロケーブルで接続しないと使えない!」という情報を書かれている方がいらっしゃいましたが、自分の場合はホットシューにトリガーを取り付けて使うことができています。ただしトリガーを一番奥まで差し込んでしまうとダメで、1~2mmほど手前に引いてやる必要があります。毎度微調整をするのは面倒なので、トリガー側に適当なスペーサーを両面テープで貼って使っています。
トリガーへのスペーサーについて追記:
この記事を書いた時に自分が使っていたのはGODOX X1C(Cはキヤノン用のCです)でした。その後FUJIのカメラを使うことがあり、GODOX X1F(Fは富士フイルム用のFです)を購入。試しにX1FのトリガーをsdQuattroに取り付けてみたら、スペーサー無しで発光信号を送ることができました(もちろんTTLなどはできませんが)。
2.sd Quattro + GODOX X1
前編のsd Quattroでオフカメラストロボ撮影をしたいっ(前編)で、TTLにはストロボとカメラ間の「通信」が必要で、各社固有の通信言語(プロトコル)があるという話を書きました。
OC-E3ケーブルの場合、インフラとして各接点ごとの電気信号をカメラ⇔ストロボ間でただ伝達するだけなので問題なく使えるということなのですが、GODOXラジオスレーブの場合、ただ電気信号を伝えるだけではないということでしょう。
SIGMAカメラとストロボが、シグマ語(SA-STTL)でコミュニケーションする必要があるところを、間にキヤノン語(E-TTL)しかわからない無線機が入ってもダメということです。SA-STTL「専用機」であるEF-610 DG STが「発光すらしない」のも頷けます。
興味深いのは「HSSも無理」という所。
TTLは露出設定を決めるためのカメラ・ストロボ間の通信。複雑な相互伝達が必要になるのは理解できます。
それに対してHSSは単なる短時間連続発光です。相互の伝達は不要でTTLとは独立した技術なはず。ですがこれもメーカー各社独自のプロトコルに依存しているのでしょう。
「今から短時間連続発光してね」「シャッター速度は●●秒だからそれ以上長く光って無くていいよ」程度の情報をカメラから一方通行でストロボに伝えているだけでしょうが。
HSSとTTLでやることは全然違うけど、HSSを実現するためにはカメラ・ストロボ間でメーカー独自プロトコルの通信が必要ということです(結局各社のTTL対応機器でないとHSSはできない)。
SIGMA sd Quattro環境で無線ストロボ撮影はできないのか?と諦めてしまうところですが、EF-630の解説を見る限り「もう一台のEF-630(又はEF-610 DG SUPER)があれば可能」のようです。カメラに直付けした1台目をトリガーとして(発光はしない)、2台目のオフカメラストロボを操作するようです。
私はもう一台買う気持ちの余裕はありませんが。。。
③「ストロボ発光量と照射角(ズーム量)の遠隔操作」に限定すれば、純正以外の安価なストロボでも対応できるものがありました。
手持ちのストロボ環境では無線TTL撮影は無理ということがわかりました。
「諦めて、ストロボをマニュアルモードにして無線発光させるか」ということになるのですが、ここへ来て自分には「ちょっと不便」なことがあります。
自宅でアンブレラ型のソフトボックスを使っているのですが、ストロボの光量を調節するためにいちいちソフトボックスを開けて手を突っ込みストロボ操作しなければいけない。これが面倒くさい...。
...解決できましたが、もう一台ストロボを買う必要がありました^^;。
GODOXが出しているマニュアル専用ストロボThinklite TT600です。
無線レシーバーを内蔵しており、ストロボ単体でGODOX X1
「マニュアル専用ストロボ = どのメーカーのTTL言語も分からないはず」
なのに
「GODOXトリガーからの信号が受信できる(光量調整、ズーム調整等をリモートで受けられる)」
...ということは、理屈の上ではこの組み合わせではGODOX語(プロトコル)が使われているということになります。
おまけにTT600ストロボはハイスピードシンクロにも対応という記載も。これは期待できそうだ...。
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sd Quattro + GODOX X1 wireless trigger + GODOX TT600 flash : SA-STTLやHSSはできませんが、トリガー手動操作からリモートでの発光量調整や照射角調整ができます |
SIGMA sd Quattro + GODOX X1C(トリガー)+ GODOX TT600ストロボの組み合わせでは...
1.トリガー操作で調整可能なストロボ設定について「のみ」リモートで変更可能。
X1
「光量(1/128~1/1)の間で1/3段ずつ」
「ズーム(照射角)20,24,28,35,50,70,80,105,135,200mm」
良かった。「リモートマニュアルストロボ」ができるので、これで自分の悩みは解決です。
2.カメラの露出情報を伝達しなければできない様なHSSなどは無理。
一瞬期待してしまったのですが、やはりダメでした。理屈が分かれば納得です。
恐らくGODOXのシステムがやっていることは次の様なことなのでしょう。
トリガー:
カメラから送られてくるプロトコルの受信
↓
GODOXプロトコルへの変換(翻訳)
↓
トリガー操作で設定した情報項目の追加
↓
GODOXレシーバーやストロボへ送信(GODOX)
レシーバー:
トリガーから送られてくるGODOXプロトコルの受信
↓
ストロボメーカー固有のプロトコルへの変換(翻訳)
↓
ストロボへの送信
SIGMAカメラやストロボがSIGMA用の場合「翻訳」ができずに失敗するようです。
TTLはもちろん、HSSやマルチ発光、後幕シンクロなんかも無理だろうなと思います(後ろの2つは試していませんが、発光指示以外にシャッター速度も伝達する必要があるはずなので)。
逆に、理屈の上ではキヤノンカメラ+キヤノン用トリガー+ニコン用レシーバー+ニコンストロボでTTLできたりなんかして...なんて思ってしまいますが、自分の環境とは異なるのでこれ以上深追いはしません。。
番外:sd Quattroで使えるリモコンシャッターもあります
sd QuattroにはケーブルレリーズCR-31があります。
所謂ケーブルレリーズとしては必要十分なのですが、例えば自撮りするようなシーンでは短い...。リモコンレリーズはできないものかと探してみると、こんなものもありましたよ。



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