18.寝室の子供の寝顔を手持ちで綺麗に撮影したいっ
PENTAX KPで暗所手持ちキレイ撮りに挑戦
SIGMA sd Quattroユーザーですが、「訳あって」PENTAX KPを購入しました。
今回は、PENTAX KPが自分の目的に合っているか?を確認してみました。
※ついでに...禁断のsd Quattro VS PENTAX KP撮り比べもしました。
まずは、どんな「訳あって」なのか触れさせてください。
sd Quattroをメインで使いたいけど困る日常シーンTOP3
とっても好きなカメラだけど、日常で困るシーンがいくつかあります。A.動き回る子供やペットをかわいく印象的に...
B.夜の街並みをスナップショットでさっと撮影...
そして...
C.妻が子供の寝顔・寝相を見て「かわいー!写真撮れないの?」と言われた時...
などです(個人の感想です)。
改めて挙げてみると「今どきのカメラやスマホ」で当たり前のようにできることができないなんとも不便なカメラですね...。
万人受けするカメラでは無いのですが、それでも自分がこのカメラを使い続けるのは、じっくり考えて撮った画が素晴らしいと思うから。
ただ、今回はFoveonセンサーがどうだとか書くつもりはありません。
シグマのカメラでネックになるのは「AFが高速では無いこと(動き回られると追いつかない)」と「ISO高感度耐性の弱さ(信じられないくらいザラザラで色味も異常に)」です。
シーンAやBは、スキルや三脚である程度カバーできるものの、今回困ったのはシーンC 子供の「今」の寝顔撮影。
寝室に三脚を立て、おもむろにカメラをセッティング。セルフタイマーを使って長秒撮影...と準備しているうちに子供が動いて寝相が変わる... 最悪、起こしてしまってさぁ大変...といったことが何回も。
動かないでいてくれればとても素晴らしい写真が撮れるのですが。
日に日に成長する子供の今を撮りたいのに、この様な機会ロスは非常にもったいなく感じます。そんな悔しさ(口実?)をきっかけに、苦手を補うセカンドカメラ探しが始まりました。
要件は、夜の寝室(直射でなければぼんやりした照明は可)の手持ち撮影で、満足した写真が撮れること。
実測してみるとISO3200~6400ぐらいでの撮影に耐えられる必要がありそうでした。
検討したのは3機種(詳細は割愛)
1.SONY α7S + 標準単焦点レンズ(SIGMAかSONYか):暗所モンスターなフルサイズミラーレス2.SONY α6000 + マウントコンバーターMC-11(SA-E) + 所持しているDCシグマ用レンズ:高速AF高画質が売り&sd Quattroとレンズが共用できるAPS-Cミラーレス。
3.PENTAX KP + SIGMA 17-50mm F2.8(ペンタックスマウント):高感度耐性と5軸5段ボディ内手ぶれ補正が売りのAPS-C一眼レフ。
いろいろ考えて3になった訳ですが、検討内容を長々と書いても他人からするとつまらないものなので割愛します。
高感度撮影でも子供の肌を綺麗に撮れるか
一番気にする高感度耐性。スペック上は ISO81万強 というとんでもない数字ですが、もちろんそんな超高感度はあてにしておらず、常用できるととても便利なISO800, 1600, 3200, 6400ぐらいに期待します。![]() |
PENTAX KP Test Shot (33mm Focal Length, F2.8, ISO100, SS4sec) Tripod Used |
目標としたいイメージとして、ISO100に拘り三脚使用で撮った写真が上のものです(シャッター速度は4秒)。
焦点距離は33mm(換算50mm弱)。感度をISO6400に固定してAFさせるとシャッター速度が60分の1秒と表示されるような明るさにしてみました。真っ暗ではないけども、普通のカメラだとこれ以上ISO感度下げると手ぶれするだろうなぁ...という感じです。
全て絞りはF2.8、三脚を使用しています(三脚を使う際は手ぶれ補正機能OFFを忘れずに)。
リアル感を出そうとピント位置は一番大きなアンパンマンぬいぐるみの左目に合わせてみました...が、暗いシーンで黒い箇所だったためか若干手前にピントが来てしまったようです(これはこれで意味のある発見ですが)。
「ISO感度を上げても子供の肌の質感をザラザラさせずに撮れるか」という目線でチェックしたいので、ぬいぐるみよりは左側の空気入りおもちゃのアンパンマンや、アヒルの表面を見ると良いかもしれません。
それでは行きます。まずはいきなりISO800。


ISO100と全く同じとはいきませんが、ザラザラ感は殆どないと思います。色味も輪郭も問題なし。


粗探しのように等倍で見ているからですが、アヒルの表面に若干のザラザラ感がでているのがわかります。ただ、表示倍率50%(3008×2000ピクセル)ぐらいにすると、まだまだISO100と見分けがつかないレベルでした。


等倍はもちろん、表示倍率50%でも、アヒルと空気入りアンパンマンにザラザラ感が出始めるのがわかります。パッと見ISO100と見分けがつかないレベルでみれるのは表示倍率を25%(1504×1000ピクセル)ぐらい。今どきのPCモニタで画面いっぱいにすると若干粗さに気づくけど、A4プリントぐらいならまだまだキレイに見ることができると思います。


ザラザラ感が気にならない...と言えば嘘になると思いますが、写真としてダメかというと全くそんなことは無いと思います。輪郭や発色が損なわれていないためだと思います。Pentax KPのISO AUTO設定の上限初期値はISO6400なのですが、確かに常用できるレベルだと思います。
手ぶれ補正の力を借りればどこまで感度を落とせるのか
ISO6400で寝ている子供を撮っても写真としてダメにはならなさそうだということがわかりました。とは言え、せっかくだったら「すべすべの肌をより綺麗に残したい(できるだけ低感度ISOで撮りたい)」と思うのが親心。そこで手ぶれ補正の出番です。PENTAX KPには5段5軸のボディ内手ぶれ補正機能があります。
5段の手ぶれ補正...という事は、(理屈の上では)例えば必要なシャッター速度(ex.1/60秒)を得るために本来ISO6400の感度が必要な上記のようなシーンで、ISO200まで感度を下げて、シャッター速度が1/2秒まで遅くなっても手ぶれしないということです。
(ISO6400->1段3200->2段1600->3段800->4段400->5段200)
(SS1/60->1段1/30->2段1/15->3段1/8->4段1/4->5段1/2)
...とは言え、あくまでこれは理屈の上での話で、実際は明るいシーンと暗いシーンでは勝手が違うはず。
例えば、もっと暗いシーンでシャッター速度1/2秒確保しないとブレるような時に、手ぶれ補正により15秒間の手持ち撮影に耐えられるようになるとは到底思えませんよね...。
なので「子供の寝顔を撮るシーンで、手ぶれ補正の力も借りながら、自分は実際にどこまで低感度で撮れるか」を試してみたいと思います。
上記で試したISO6400(SS1/60秒)から順に、今度は手持ちでISO感度を下げてゆきます。絞り優先モード、ISO感度固定でシャッター速度はカメラに任せています(なのでSSの変化は正確な段数に応じた動きになっていません)。グリップはLサイズを付けていますが、上から覗き込む様に構え、600g弱のレンズが下を向く状態での撮影なので、手ぶれが起きやすいシビアな状況だと思います。
「当たりが出るまで何枚も撮る」はやらず、各感度一発勝負で撮っています。
子供の寝相は待ってくれないので...自分的に安心して使える感度を探します。
まずは、ISO感度を1段ダウン(6400->3200)させてみます。


想定よりも大きくシャッター速度が落ちてしまいましたが、手ぶれは全く起きていないようです。この1段補正だけでもかなり画質が回復したと思います。


これも手ぶれ発生は無さそう。換算50mmの焦点距離で、1/13秒手ぶれ無しというのは驚きです。左のビニールアンパンマンの肌質が素晴らしく改善。


あっ! 早くも3段で手ぶれが発生してしまいました。何回か粘れば手ぶれ無しで撮れそうな気もしますし、等倍表示でなければ気づきにくいかもしれませんが...。
手ぶれの無いISO1600の方が良いですね。


念の為、もう1段感度を落としてみましたが、やはり手ぶれはひどくなります。
我が家の基準が決まりました
...と言うわけで、我が家の寝室で子供の寝顔を手持ち撮影する時は「安全をとってISO感度は1600、シャッター速度1/15秒前後が確保できていること」をベースにしたいと思います。![]() |
PENTAX KP Shake Reduction Test (33mm Focal Length, F2.8, ISO1600, SS1/13sec) Handheld shooting |
おまけ。禁断の...sd Quattro VS PENTAX KP 低感度対決
PENTAX KP購入の目的は達成されたのですが、ここで悪魔の囁きが。「sd Quattroが得意とする超高解像(低感度に限る)と勝負したらどうなる?」
...両者同等だったらsd Quattroを使い続けるモチベーションが下がる。。
レンズの違いによる差を無くすため、2台のカメラで同じレンズを使いました。
前回書いた「絞ると凄い解像」のオールドレンズ Super Takumar 55mm F1.8です。
ペンタックス用のM42マウントアダプターはRAYQUALマウントアダプターを使いました。少々値が張りますが「オールドレンズの絞りピン押し対応」「無限遠にきちんとピントを合わせられる」「取り外しのトラブル報告が少ない」アダプターです。
PENTAX KPは、リアル・レゾリューション・システムを使って撮りました。
「イメージセンサーを1画素ピッチで動かしながら4枚を連続撮影。1画素ごとにRGB各色の情報を得て合成処理を行うことにより、通常撮影では表現できない超高精細な画像を生成できます。」とのこと(PENTAX KPのWebページより)。
超高精細な画像を生成...。sd Quattro危うしか...。
さて、絞りF11一本勝負です(※別日撮りなので天気も微妙に違います)。


右:PENTAX KP(Real Resolution System) + Super Takumar 55mm
中央付近比較
sd Quattroの画像は5424×3616pixel、PENTAX KPは6016×4000pixel。PENTAXの方が10%強大きいので、等倍にすると寄った感じになります。


右:PENTAX KP(Real Resolution System) + Super Takumar 55mm
遠景比較


右:PENTAX KP(Real Resolution System) + Super Takumar 55mm


右:PENTAX KP(Real Resolution System) + Super Takumar 55mm
重箱の隅をつつくような話ではありますが...
sd QUattro低感度撮影時の解像感。やっぱり凄いと思います。



コメント
コメントを投稿