34.MC-11を使ってSIGMA 50-100mm F1.8 DC HSMをSONY α9フルサイズ画角で使用しています

SIGMA 50-100mm F1.8 DC HSM (for SIGMA SA mount APS-C Lens) + HAKUBA 82mm Hood + SIGMA 105mm CAP(LCF-105 III) + SIGMA MC-11 + SONY A9
SIGMA 50-100mm F1.8 DC HSM (for SIGMA SA mount APS-C Lens)をフルサイズ画角で使用したいので、フードは純正からハクバ ワイドメタルレンズフード 82mm(ねじ込み式)へ変更しています。レンズキャップはシグマの105mm用(LCF-105 III)をメタルフードにかぶせればピタリ。

MC-11を使って SIGMA 50-100mm F1.8 DC HSMをSONY α9フルサイズ画角で使用しています(が...)という話

自分がSIGMA sd Quattro用に購入したレンズ、どれも素晴らしいレンズです。しかし主に撮っている子供が動き回る様になるとsd QuattroのAF撮影は絶望的(に遅く間に合わない)なので、殆ど使用することがなくなってしまいました。

これは勿体ない...ということで、電子アダプター(SIGMA MC-11 SA-E)を使って瞳AFの優秀なSONYのα機での転用を試みたところまぁまぁ満足した という話です。

私がシグマ用で所有していたのは全てAPS-C用のDCレンズだったので、最初はα6400で使用。その後購入したα9でもフルサイズ画角で無理やり(?)使用しています。既に色々なレビューやブログ等でも書かれている内容なので、要点のみ書いてゆきたいと思います。


①MC-11を使用した「シグマ用」レンズの瞳AF速度は?(SONY α6400、α9での使用実感)

→AF-Cで十分な速さのリアルタイム瞳AF。食いつきも良好。ただ結構「カタカタ音」が凄い。

試したのは18-35mm F1.8 DC HSMと50-100mm F1.8 DC HSMの2本です。共にニコンFマウント用やキヤノンEFマウント用も存在(18-35mmはペンタックスKやソニーA用も)するためレンズ自体のAF速度ポテンシャルは十分なのだろうとは思うのですが、いざ「シグマ用」となるとどうなのだろう...と、試す前は不安に感じていました。sd Quattroだとピントが合うのにAF-Sで1秒ほどかかり、AF-Cだと動く被写体に追いつかずピンぼけを量産するものですから...。

結果は非常に良好。sd Quattroで使っていた時からは全く想像できない速さで瞳AFできます。ただ、この速さとは「無限遠から至近距離へのピント合わせが一瞬」とかいうものではなく、「瞳に食らいついて動体を追い続けるのに十分な速さ」という意味です。ただ、意外と「音」が凄い。

鏡胴の長い50-100mmで「無限遠から至近距離へ」などの場合は、重いレンズ群を大きく動かしている感触が伝わる程の「コーッ」という音と共に駆動感が伝わってきます。瞳&動体追従では同じく重いレンズ群を小刻みに動かすため「カタッカタッカタッ」と音が鳴ります。MC-11経由でこのレンズを使った動画撮影もできるのですが、この音を拾ってしまうためマイクを外付けしないと本格的な動画撮影には向かないと感じます。

sd QuattroでのゆっくりAFとは明らかに異なるスピードで動かされているこの音を聞くと、非常にこき使っている感じがします。レンズの寿命、大丈夫かな...と少々心配にはなります。

瞳への食いつき具合については、SONY純正レンズと比べるともしかすると悪いのかもしれませんがその差は気にならないレベル。先にこのブログで書いたLM-EA7よりは若干良好かも?と感じます。


②珠玉のAPS-C用1.8通しズーム(SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM、SIGMA 50-100mm F1.8 DC HSM)を「フルサイズ画角」で使った場合のケラレ具合と実用度

→純正フード無し&RAWでの周辺減光補正を前提とするならば、18-35mmレンズは30-35mm付近、50-100mmレンズは85-100mm付近で何とかフルサイズでもクロップせずに使えるかも。ただ、カリッカリの風景撮影には向かず。日の丸構図で背景をぼかした人物や花の写真なら使えそう(というか私は使っています)。

同じテーマで書かれたブログをいくつか目にしますが、これを試す際の大前提として「APS-C用純正フードは外した状態」でなければなりません。フードを付けた状態だと周辺減光を通り越して完全に四隅がケラレてしまいます。

※フード無しだと前玉むき出しが怖い自分は、冒頭の写真の様にねじ込み式メタルフードで代用しています(四隅の状況はフード無し時と変わりません)。

次に、RAW現像でのヴィネットコントロール(周辺減光補正)は大いに活用します。普通に撮影すると、周辺へ向かってなだらかに暗くなる様な いわゆる周辺減光というよりも、四隅が明らかに黒くケラレた様な感じに写ります。RAWで撮ると、この黒い箇所に救い出せる程度の階調データが残っていることがあるのでこれを周辺減光補正(周辺部分のみ明るさ補正)で救おうという考えです。


【100mm開放でのケラレ具合と周辺減光補正での実用度】

<左:SIGMA 50-100mm F1.8 on FullFrame (@100mm F1.8) 周辺減光補正なし 右:補正後>

赤い枠がこのレンズ本来の画角(APS-C)領域です。左は周辺減光補正なしのものですが、赤枠を外れた付近から急激に暗くなっていくことがわかります。
右は同じRAWデータを周辺減光補正したものです。四隅にはまだ減光が残っているものの、フルサイズRAWには何とか復元可能なデータが残っていることがわかります。

【85mm開放でのケラレ具合と周辺減光補正での実用度】

<左:SIGMA 50-100mm F1.8 on FullFrame (@85mm F1.8) 周辺減光補正なし 右:補正後>

次は85mm付近で同様の比較をしてみます。
周辺減光補正なし(左)を見ると、赤枠を外れた付近から暗くなることは変わりませんが、四隅での黒が100mm時よりも濃い様に感じます。実際、100mmの時と同様に周辺減光を補正しても(右)四隅の暗さは解消しきれていません。更に明るく補正することもできますが、やりすぎるとノイジーになってしまいます。

更に焦点距離を短くしてゆくと周辺の「黒み」は増してゆきます。70mmならクロップ無しでは成り立たないかなぁ。

【絞った時の実用度】

絞ればもう少しマシか?というのはあると思います。
SIGMA 50-100mm F1.8 on FullFrame (@100mm F5.6)
SIGMA 50-100mm F1.8 on FullFrame (@100mm F5.6 周辺減光補正なし)

100mmでF5.6まで絞った状態で撮ったものです(周辺減光補正はしていません)。最初の100mm F1.8と比較すると周辺の黒みは随分解消されていると思います。

でも...


写真をクリックして拡大していただけると分かるのですが、APS-C領域の外側の画質は(当たり前ですが)しっかりしていないと思います。解像感も損なわれ、流れた感じで、建物も歪んでいます。

もう一度書くと「APS-C用レンズを無理やりフルサイズ画角で使用しているので当たり前」なのですが。

せっかくのズームレンズなので、風景を撮るなら素直にAPS-Cカメラで66mm付近の焦点距離で撮った方が綺麗に撮れると思います。つまり風景カリカリに撮るためにこのレンズをフルサイズカメラに付けるメリットは無いわけです。

※今回写真の例は載せていませんが18-35mm F1.8 DC HSMの場合、概ね30-35mm近辺で上記と同様な写り方だと感じました。

【日の丸構図で背景をぼかした人物や花の写真なら...】

<SIGMA 50-100mm F1.8 on FullFrame ( @100mm F1.8 ) 周辺減光補正あり>

APS-C領域外の周辺減光、解像度低下、像の流れは風景を撮る時と全く同じなのですが、この様な撮り方をするとそれらは全てボケの中ということになります。「フルサイズ対応85mm-100mm F1.8レンズ」だと思えば薄い被写界深度に期待が持てます。補正はしていますが、多少周辺減光を残してもそれはそれでいい雰囲気。

ただし...

SIGMA 50-100mm F1.8 on FullFrame (@100mm F1.8) 周辺減光補正あり
<SIGMA 50-100mm F1.8 on FullFrame ( @100mm F1.8 ) 周辺減光補正あり>

例によって赤枠はAPS-Cの領域です。
背景によってはAPS-C領域外でぐるぐるボケ、二線ボケなども表れます。このレンズ元々の印象とは異なるやや汚いボケのイメージ。

これも、「APS-C用レンズを無理やりフルサイズで撮っているので当たり前」なのですが。

人物撮影などがメインで、フルサイズ機とAPS-C用のこのレンズの両方をもし持っているのならば、一度フードを外して撮影してみるのは非常に楽しいことだと思います。

ただ、フルサイズ機を持っていてこのレンズは「フルサイズでも普通に使える」と期待してわざわざ購入するのは勿体ないので止めましょうね。。

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